ウチの会社ってブラック?見分けるポイント〜転職で失敗しないために〜
こちらでは、今勤務している会社がブラック企業かどうか知りたい方や、次の転職の際、ブラック企業を選ばないためのその特徴と対策をご紹介します。
『ブラック企業』とは、過重労働や違法労働をさせたり、パワハラや残業代を支払わないなど、社員や従業員に対し、明らか不当な扱いをする企業のことです。
ですがその定義を、厚生労働省は定めていません。ですので、そもそも曖昧なのです。
曖昧ではあるのですが、やはりブラック企業の特徴というのがあります。ということで、まずは『ブラック企業の3つの特徴』をご紹介します。
会社を辞めるべきか迷っている方、次の転職は失敗したくないと思っている方、ぜひ参考にご覧ください。
・キャリアコンサルタント【国家資格保有】
・産業カウンセラー【資格保有】
企業内で人事・スタッフ育成を担当した経験から、30代でキャリアコンサルタントの資格を取得。40代で人材派遣会社へ転職した経歴を持つ。→もっと詳しく
ブラック企業の3つの特徴
ブラック企業の特徴をご紹介する前に。少しだけ、キャリアコンサルタントからアドバイスさせてください。
現在、勤務している会社が、『ブラック企業かも』と思い始めたら、もう転職した方がよいのかもしれません。
なぜなら、問題はその会社が『ブラック企業かどうか』ということより、『会社があなたにとって負担かどうか』ということの方が大切だからです。
もちろん、働くことじたいが大変なことではあるのですが、何らかのかたちで、会社のことを負担に感じているのならば、自分にあった仕事や新しい会社を探すことも有効です。
ということを、念頭に置いて(^^)
それでは、ブラック企業の特徴を見ていきましょう。
特徴1、労働時間や休日に関すること
まずは、労働時間や内容に関する特徴です。
簡単に言えば、長時間残業をさせる。
有給があるのにとることが難しいこと。
法律で定められた労働時間を守らず、不当な労働を強いることや、休日を与えないことなどがあげられます。
労働時間が1ヶ月45時間を超える
1週間の残業時間が15時間以上、1ヶ月の残業時間が45時間を超えると違法となります。
ただし、『特別な事情がある場合は働かせてもよい。』と条項にありますので、100%違法かというところまで追求できるかはケースによります。
要するにこの条項を、悪用しているとブラック企業ということですね。
休日出勤をさせても割増賃金を払わない
休日出勤は、仕事の状況によっては止むを得ずすることもありますが、その分の割増賃金を支払わないのは違法となります。
お休みについて労働基準法では、週1日以上の休みを与えなければならないとされています。
有給休暇をととるのに厳しい制限を設ける
有給休暇は原則的に、自由に取得することができる『労働者の権利』です。
ですが、この有給休暇を取得する際に、理由を書いて提出させたり、上司や会社の許可が必要など、簡単に取得できないような決まりがある場合は、ブラック企業といえるでしょう。
特徴2、賃金に関すること
あきらかに給料を支払わないとなれば、誰でもすぐブラック企業だと認識できるでしょう。
ですが、あたかも定められた決まりのように減額したり、天引きする場合もありますので、『そういうものなのかな?』と、勘違いしてしまうことも。
裁量労働制やみなし残業代を悪用する
裁量労働制やみなし残業代を利用し、支払わなければならない残業代をごまかして支払われないことがありますので注意しましょう。
勤務時間を正当にカウントしない
タイムカードを30分未満は切り捨てたり、一定の時間で一度タイムカードを押すなど、独自ルールがある場合はキケンです。
また、勤務に関する準備時間や、会社指示の研修なども労働時間に含まれることがほとんど。このような時間についての給料を支払わないというのも特徴です。
不明瞭な項目での給料の天引き
旅行の積立や遅刻などの罰金など、社員の了承を得ずに給与から天引きしている場合。
また、ガソリン代の高騰などを理由に給料を減額するなど、一方的に給料を下げるのもブラック企業の特徴です。
特徴3、社風、コンプライアンスに関すること
『やる気』や『情熱』といった精神論を語ることで、無理な仕事量を納得させる。
退職を希望しても退職させないなど、常識や法律を無視した論理が優先される会社はブラック企業です。
最近『コンプライアンス』という言葉を最近よく耳にしますが、コンプライアンスが低い会社は、ブラック企業であることが多いでしょう。
※コンプライアンス・・・法令遵守のこと。企業がルール(法令・就業規則・社会的規範など)にしたがい、公平・公正に業務を遂行すること。
ブラック企業を見分けるポイントとは?
ブラック企業を見分ける一般的な方法は、『平均年齢・離職率・定着率』をみるというもの。
離職率が20%あたりを基準にみましょう。離職率が高ければブラック企業に近いといえます。
といっても、離職率が求人に出ているわけでもないので、いつも求人を出しているかどうかを1つの目安にしてみては。
いつも求人を出している=定着率が悪い=労働環境がよくない
となるからです。
また、残業の規定がない会社や、求人要項に『残業あり』だけで、曖昧な記載の場合も注意しましょう。
気になる場合は、その会社に夜行ってみるとよいでしょう。
独りで悩まず専門家に相談を
困ったら、一人で悩まず、誰かに相談しましょう。
家族や友人に相談も大切ですが、できれば、専門家の方に一度相談を。
なぜなら、『ブラックかも』という相談の中には、単なる感情論で解決しないことが多々あるからです。
働く人を支援するために、キャリアコンサルタントや、産業カウンセラーはいるのですから。
必ず、あなたの力になってくれるはずです。
さいごに:相談するまでもなく転職する選択肢もアリ
誰かに今、相談した場合、最終的に自分が出すであろう結論を考えて見てください。
答えが出ない場合は、相談を。
でも、『誰かに相談しても、最終的にはやっぱり辞めたいな。』と思うなら、転職するという選択肢だってあります。
そう、転職して解決するなら、今から転職活動を始めればいいのです。
でも、転職大変そうだし・・・もし上手くいかなかったら・・・と、思うのも分かりますが、『案ずるより産むが易し』(表現が古い・・^^;)
考えているより、行動して何らかの情報を得る方が確実なのを知ってますか?
『考えて何もしない』というのは、ある意味、『行動して上手くいく機会』を『自分でなくしてしまっている』とも考えられるのです。